通貨名 | ペトロ |
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通貨コード | PTR |
発行元 | ベネズエラ政府 |
ブロックチェーンプラットフォーム | NEMブロックチェーン |
総発行枚数 | 100,000,000PTR |
公式URL | http://www.elpetro.gob.ve/index.html |
ベネズエラ政府のICOペトロ(Petro)を捜査
仮想通貨業界初であるベネズエラ国家による、政府主体のICO案件。豊富な埋蔵資源の価格を裏付けとした独自トークンの発行、開発を行っている。ベネズエラが直面する外貨不足による深刻な経済難を乗り越えることが出来るのだろうか…。
ベネズエラ政府による国家プロジェクトとして開発された仮想通貨ペトロ(PETRO)のプレセールが2月20日より開始されたという発表がありました。
狙いは同国の深刻な経済状況を緩和することにあるのですが、ベネズエラを取り巻く世界情勢やアメリカによる経済制裁などからその目的に対しても懐疑的な見方をする投資家が多くなっています。果たして無事、取引所に上場することは可能のでしょうか?
今回はベネズエラの経済状況からペトロ(PETRO)の解説、今後の行方までを調査しました。国家単位での詐欺の疑いなども調査していますので、どうぞご覧ください。
目次
・巨額の負債を抱えるペトロ(PETRO)
・財政破綻の危機
・ブロックチェーンの意味がない
・投資しても儲からない?
・タイムリミットは4月
・まとめ
出す前から大赤字なペトロ(PETRO)
2017年から度々話題となっていたベネズエラ政府が国家主導で発行するという仮想通貨petro(ペトロ)が2018年2月20日より、購入者の登録手続きを開始すると発表。
ペトロはベネズエラが誇る豊富な埋蔵原油の価格を裏付けとしており、ベネズエラ政府はペトロが原油1バレルと同等の価値であることを約束するとしています。少々問題となっているTether(USDT)のようなペッグ通貨のようなものですね。
※【ペッグ通貨】とは
法定通貨や金などの資産価値に紐づけられた仮想通貨の総称。
そもそもの問題は原油生産量の落ち込みと、アメリカによる経済制裁による経済危機であったはずですが、約束が本当に守られるのかどうかについては不透明な部分が非常に多いままプレセールが行われることに…。
ベネズエラに対する経済制裁の内容は、米国の金融機関に対して「ベネズエラ国債」と「ベネズエラ国営石油会社の社債」の取引を禁ずるというものであり、独裁体制を固めたマドゥロ政権の資金源を断つことが狙いとなっています。
現状、ベネズエラが抱える対外債務は約15兆円規模と言われており、その返済期限は2018年4月に迫っていることから、債務返済に充てるための外貨獲得を目的として今回の仮想通貨ペトロを発行に至ったという訳ですね。
財政破綻の危機
現在ペトロ(PETRO)の購入は機関投資家のみ購入可能となっており、60%のディスカウントを受けることが出来ます。一般投資家向けには2018年3月1日からの販売予定。
ペトロの価値はベネズエラの埋蔵原油が保証していると説明されているものの、実際に
原油に交換することは出来ないと公式にアナウンスされています。
更に不安材料として懸念されているのが、ベネズエラの原油生産は6年連続で減少しているという点。昨年12月には過去28年で最低水準にまで陥っているのです。
仮想通貨ペトロ(PETRO)の価値を支えるはずのベネズエラ政府が財政破綻の危機に瀕しており、このままではデフォルト(債務不履行)の可能性が高いという見方も出ています。
破綻するかもしれない国家が発行する仮想通貨という無駄なリスクを背負ってまで、投資すべきICOなのでしょうか?筆者は絶対に参加したくありませんね。
ブロックチェーンの意味がない
外貨の獲得を目的としている事が濃厚であるペトロ(PETRO)については、ベネズエラ政府がホワイトペーパーを公開しています。ここで基本的な情報をご紹介しましょう。
- イーサリアムERC20プロトコル
- 1ペトロ=60ドル
- 発行上限1億ペトロ
- 上場取引所=不明
ERC20準拠のイーサリアムトークンという事から、イーサデルタなどの分散型取引所(DEX)に登録される可能性もあるかもしれませんね。その際にはイーサリアムトークン同士のペアで取引も可能になるというのは1つの魅力であると言えます。
ただ、気になるのは発行元がベネズエラ政府という事は、ビットコインやイーサリアムのような非中央集権型の仮想通貨ではなく、法定通貨のような中央集権型であるという点。
本来はブロックチェーンという技術が持つ信頼性により、投資家は仮想通貨が価値のあるものであると判断ができるわけですが、ペトロに至ってはベネズエラ政府が開発、発行までを行っていますよね。
その価値を保証するベネズエラが財政破綻という事になりますと、ペトロの価値は一体どうなってしまうのか、想像するのは容易いですね。価値が突然0円なんてことも…
投資しても儲からない?
今回のペトロ(PETRO)に関しては、ここまでご説明してきたように致命的な不安材料がいくつも存在します。このような通貨を積極的に取り扱おうと考える取引所は果たして出てくるのでしょうか?この状況では上場はほぼ無理であると考えた方が良いでしょう。
ペトロが抱える不安材料一覧
- ベネズエラのデフォルト問題
- 米国による経済制裁中
- 価値を保証する原油の状況
- ベネズエラの議会は反対している
- マドゥロ大統領の任期が2018年
上記だけではありませんが、ざっと調べただけでもこれだけ不安材料が。ベネズエラの議会は「マドゥロ大統領」の任期が終わると同時にペトロは無効という発言もしています。
2018年に入り世界各国のICO規制も強まっていることも不安材料の一つになります。購入を検討している方は、この辺りの不安材料とよく調べた方が良いでしょう。
タイムリミットは4月
現時点では国家単位で行われている詐欺という評判が一番しっくりくるような気がしています。ベネズエラのインフレ率が1万3000%という事は、ベネズエラの紙幣がゴミ同然になったという事になりますからね。
ゴミ同然というのはベネズエラ国民が一番感じているのでしょう、捨てるのは忍びないと紙幣をファッションアイテムへとリメイクする若者が話題になっています。
ホワイトペーパーによると、ベネズエラ政府は国税や手数料、公共サービスの支払いも受け付けるとされているのですが、この状況でどうやって税金を納めろと…。
目的すら不明瞭な仮想通貨ペトロ(PETRO)には未来はあるのでしょうか?
筆者には、絶望的な未来が待っているとしか思えませんでした。
まとめ
- ベネズエラ政府は財政破綻の危機
- ペトロの価値は埋蔵原油が保証
- 上場は難しい
- このままでは詐欺同然
ベネズエラのインフレ率は年5000%を超えている。この上昇率はビットコイン以上じゃないかな(笑)