通貨名 | アイゼンコイン |
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通貨コード | XAZ |
発行元 | 不明 |
BCプラットフォーム | イーサリアム |
総発行枚数 | 500億XAZ |
公式URL | 危険なので非公開 |
超適当に作られた仮想通貨「アイゼンコイン」
完全紹介制としてトークンの販売が行われているICO通貨の「アイゼンコイン」がねずみ講と言われている。
購入者がまた、新たに購入者を紹介すると、紹介者にも報酬が支払われる往年の手口。
ギリギリ法には抵触していないものの、仮想通貨の発行元やプロジェクトの内容を考えると、どう考えても上場など不可能。今回はプロジェクトの全貌と共に、詐欺の疑いと勧誘の手口を捜査しました。
今回調査を行ったのはアイゼンコインというICO案件。イーサリアムベースの通貨であり、オンラインカジノ・ゲーム・宝くじを主とした決済手段として実用化を目指しています。
2017年11月よりプレセールを開始しているのですが、実はこの「アイゼンコイン」、紹介がなければ購入出来ない仮想通貨とされているのです。
「アイゼンコイン」が何故このような販売手法を取ったのか、調査を進めると怪しい情報が次々と見つかります。2018年も加熱し続けるICO案件中でも1、2を争う危険なICOの可能性もあり得るかもしれません。以下のレポートではその理由をご紹介します。
2019年4月1日追記:「アイゼンコイン(XAZ)」が遂に上場
3月30日の上場が発表されていたアイゼンコインがようやくHBDEXに上場を果たしたことが確認できました。
上場から日本時間にして午前4時頃の上場となりましたが、丸一日が経過した4月1日現在の価格は約0.2円ほどを推移しております。
一時は0.09円につけるキレイなICO割れを見せていましたが、何とか持ちこたえた様子。
2月末まで行われていたプレセール時の価格は1円程だったと記憶していますから、これでもまだまだセール価格を下回っている状態です。
個人的な予想としては、上場時刻を把握していた運営陣が一気に売却して価格が下落。
その後まだまだアイゼンを信じているホルダー様たちが我先にと買い増し。
その結果、自分の金で価格を支えているという事になっているのではないかと考えています。
あくまで予測ですので、ご理解ください。
アイゼンコインについては私が2017年から危険なICO案件だと言い続けていましたが、私の予想通りICO割れを引き起こす結果となりました。
そもそもHBDEXで取引できることを上場というのも不思議な感覚ですが、ホルダーの皆様がそれでいいならば問題ないのでしょう。
とはいえ一時的に0.2円という価格に戻しているのも事実です。個人的には値上がりする要素を感じられませんが、今後の動向にも注目していきたいと思います。
2019年2月6日追記:上場先は「HBDEX」と判明
先日、3月18日の上場が発表された「アイゼンコイン」でしたが、上場先の取引所について記載したブログサイト等が確認できました。
そもそも「HBDEX」ではイーサリアムを基盤としたERCトークンのほとんどが取引可能となっており、その数は1万種類以上とも言われています。
これで上場しました!と言ってしまうのは、どうなのかと個人的には感じております。
そして、気になるのはHBウォレットの開発元である「bacoor(バコーア)」と繋がっているという記載です。
管理人が見た限り、アイゼンコインと「bacoor(バコーア)」の関連性はERC20トークンなのでHBウォレットを利用することができる程度です。
それを提携や繋がっていると解釈するのは流石に無理があるでしょう。
「XAZトークンはどこに?」
「アイゼンコイン(XAZ)」のトークンが完成したことで、イーサスキャンでトークンの詳細が確認できるようになっていたため、捜査してみます。
ここで衝撃の事実が発覚したのですが、公式サイトに記載された「アイゼンコイン(XAZ)」の発行上限である500億よりも大幅に多い、50京XAZが発行されています。
この時点でトークンがロードマップ通りに作成されていない事は明らかです。
更に、この50京XAZを保有しているアドレスは、2019年2月6日現在で4つのアドレスが全てのアイゼンコインを保有していることも確認できます。
そして、トークンの規格についても公式サイトでは「ERC223」と記載されているものの、イーサスキャンではERC20トークンであることも分かりました。
※アイゼンコインがイーサスキャンにてERC20トークンと表示されている件について、2019年2月6日の口コミ「買った人」様よりイーサスキャンはERC223トークンを認識しないのでは?とご指摘を頂きました。
再度捜査したところ、確かにその他のERC223準拠とされているトークンについても同様にERC20と表示されていることが確認できました。
誤った情報を記載してしまい、誠に申し訳ございません。
ただ、発行枚数に関しては明らかに異常な数のXAZが発行されています。
それに、イーサスキャンを見る限りでは公式ウォレットに送金されたと思われるトランザクションも確認できません。
もし、トリニティウォレットに「アイゼンコイン(XAZ)」が配布されたという方がいましたら注意したほうが良いでしょう。
それは本当に送金されたXAZではなく、運営側が数字を入力しているだけの可能性が非常に高いと思われます。
2019年1月22日追記:アイゼンコインの上場が決定
元々はMLMでの勧誘が行われており、ICO詐欺と同等レベルの販売方法を取っていたのですが、それを忘れてしまったのか「ICOしていないのに資金が集まった」などというデマ情報を流す方が非常に多いので注意が必要です。
※管理人は2016年からアイゼンコインについて捜査しています。
トリニティウォレットの登場と同時にアフィリエイト可能となったため、最近急激にSNS等で名前を見かけるようになりました。
捜査当初は公式サイトもWPも存在しないスキャム濃厚な仮想通貨でしたが、遂に上場の発表を行った模様です。
WPでは2019年5月とされていましたが、某ブログサイトによると名古屋で開催された説明会にて2019年3月18日に上場すると発表されたらしい。
この話が本当なのであれば、ホルダーの方々にはいいニュースとなったのではないでしょうか?
ですが、注意したいのはネット上では公式に上場についてアナウンスしているという証拠が確認できないという点です。
アイゼン側が情報を公開しないのはいつものことですが、相変わらず公式サイトは放置状態が続いていました。
これが本当に上場を控えている仮想通貨の公式サイトなのでしょうか?不安が募ります。
現時点ではまだ上場先の取引所名は明かされていないため、今後の続報に期待しましょう。
2018年7月17日追記:突然のサービス移行
2018年初頭に捜査を行ったICO案件「アイゼンコイン」の公式ページが変更されていることを確認。
表示されたのは「アイゼンコイン」の公式ウォレットだとされる「トリニティ」なるものにウォレットサービスが移行されたというもの。
現時点では「アイゼンコイン」自体の開発者が不明な状態となっておりますが、件の「トリニティ」に関しても制作会社は不明。
もちろん、「アイゼンコイン」がリリースした公式ウォレットだとされていることから、同一の業者が提供していることも大いにあり得るでしょう。
そのままサイト内をくまなく捜査しましたが、連絡先として唯一確認できるのは「トリニティ」の公式ページに記載されたメールアドレスだけ。
その他にも会社名と思しき「Rimitech Limited」という名前が確認できるものの、日本の企業ではない様子でした。
関連企業に「電話取材」を試みた
ホワイトペーパーも公開されず、開発チームも発行元も不明な「アイゼンコイン」でしたが、今回の「トリニティ」登場により、思わぬ部分に手がかりが見つかります。
筆者が実際に「トリニティ」に会員登録を行い、ウォレットの開設を行いました。
「リップル(XRP)」や「ビットコイン(BTC)」、そして「アイゼンコイン(XAZ)」が利用可能なことが分かります。
そんな中、一つ見慣れぬトークンシンボルである「TNP」というものが確認できます。
これは一体何なのか?捜査を進めると、この「TNP」は「トリニティポイント」と呼ばれる現金で購入可能な独自ポイントらしく、ウォレット内で「アイゼンコイン(XAZ)」に交換ができるようなのです。
そして、この購入方法を調査していくと、トリニティポイントの購入を専門で行うウェブページを発見。
そこでは「株式会社ディエム」・「株式会社BTシステム」という2社の名前が確認できた為、今回は「株式会社ディエム」に電話取材を試みました。
社員Y:「お電話ありがとうございます。株式会社ディエムでございます」
筆者:「トリニティポイントの決済代行をされていますよね?」
社員Y:「はい、そうです」
筆者:「トリニティの運営会社の情報を知りたいので、ご連絡先や企業名を教えていただけますか?」
社員Y:「えーっと、もう、アカウントを持たれているユーザーさんですか?」
筆者:「そうですね」
社員Y:「そうしましたら、ログイン画面からそのままご購入いただけるかと」
筆者:「いえ、ちょっと不安だったのでね、会社なり確認したいなと思いまして。決済しようにも、トリニティがどんな会社の商品なのかわからないのが不安なんです。それで、決済代行をされているディエムさんなら知っているだろうと思いましてね。」
社員Y:「あぁ~、トリニティさんがユーザーに対して公開している連絡先と、うちが持っている連絡先が同じかわからないので…」
筆者:「いや、公式サイトにも記載がないんですよ」
社員Y:「info@って見つからないですか?メールアドレスです」
筆者:「ああ、電話番号が知りたいんですよ」
社員Y:「いや、電話は公開してないと思いますよ」
筆者:「え、じゃぁご連絡先はお伺いできないと?」
社員Y:「いやー、うちも海外の業者を通しているので、直接トリニティの運営サイトとの取引ってないんですよ」
筆者:「どういうことですか?」
社員Y:「委託を受けている会社から、さらに決済の委託をうちが受けているんです」
筆者:「ややこしいですね…」
社員Y:「えーとですね、うーん、トリニティの運営会社がですね…、うーん、えーっと、バージン諸島なんですよ、会社が。登記が。」
筆者:「ほう」
社員Y:「そこから、日本や香港のマーケットに向けて業務委託を行ってるんです。で、うちが何を扱っているかっていうと、その中のアフィリエイト広告、そのアフィリエイターの方から銀行振込でも買えるようにして欲しいと提案があったのでうちがシステム提供してるんです」
筆者:「ん、という事は、振込先口座の「BTシステム」というのは、ディエムさんの事ですか?」
社員Y:「うちのグループ会社です」
筆者:「なるほど、ありがとうございます。ではトリニティとは関係がないので連絡先は教えていただけないんですよね?」
社員Y:「そうですね。トリニティのサイトに書いてあるもの以外は。今回は誰かのご紹介という事ですか?」
筆者:「ええ、まぁ、紹介といいますか」
社員Y:「であれば紹介者の方にですね、聞いていただくといいかと思います」
筆者:「なるほど、実際に買われた方のブログを見てただけだったので、ブログの人に聞いてみます」
社員Y:「あっ、面識のない紹介ですか?」
筆者:「そうですね…」
社員Y:「そうだったんですか、すいませんね、分からないことがあれば間に入ることはできるので言ってください」
筆者:「ありがとうございます」
気になる点を整理してみます。
- トリニティの運営会社がバージン諸島の“登記”という発言
- 業務委託を繰り返している
- 日本でアフィリエイトを行うために銀行振り込みを用意した
- 面識のない紹介という発言
まずは運営会社がバージン諸島の登記という発言について。普通なら「運営会社がバージン諸島にあるんですよ」といいませんか?なぜ、わざわざ「登記がバージン諸島」と話したのか。
これではまるで、運営実態は日本にあるが、会社だけを海外に登記しているように聞こえます。
FX業者や怪しい情報商材の販売会社などがペーパーカンパニーとして同様の手法はよく用いられます。
これにより日本の法律が通用しなくなってしまうからですね。
そして、それを裏付けるかのように海外業者を含む2社が業務委託を行い、決済代行会社に現金を振り込ませる。さらに言えば、振込先の企業もまた別の企業となっています。
トリニティが本当に素晴らしい機能を備えたウォレットだというのならば、ここまで徹底して運営会社を隠す理由とは一体、何なのでしょうか?
電話取材により判明した「トリニティ」を取り巻く怪しい状況を考えれば、「アイゼンコイン(XAZ)」はやはり、投資するのは危険な通貨であると判断せざるを得ないでしょう。
最近はこう言った怪しい投資案件が増えていることが非常に残念で仕方がありません。
なお、仮想通貨業界には「アイゼンコイン」のような案件ばかりではなく、管理人が捜査した上で優良だと判断した案件もございます。
ご興味があれば、捜査レポートをお読みいただければと思います。
#【仮想通貨ポリス認定】優良案件の捜査レポート>>
※今回の追加捜査を以上で終了となります。過去の「アイゼンコイン」に関する捜査レポートを読みたい方は、このままお進みください。
完全紹介制の落とし穴
「アイゼンコイン」を購入するには、第三者からの紹介を受ける必要があります。
と言いますのも、ICOのプレセールが行われる際には必ずと言っていい程に打ち出される広告などを出しておらず、セミナーなどの参加者限定、完全紹介制として販売されています
このような紹介制を採用する理由については、宣伝費が掛からないという事が1番のメリットになります。では、削減できたコスト(宣伝費)は一体、どこに使われるのでしょうか?
それはズバリ、紹介者に支払われる報酬です。俗にネットワークビジネスと言われる手法であり、紹介者を増やせば増やす程に、受け取れる報酬が増えていくシステムとなっております。馴染みのある言い方をすれば、ねずみ講と呼ばれるものですね。
基本的に紹介制などを謳うICO案件や紹介制のマイニングプールなどの投資案件は9割9分9厘、詐欺であると言われているだけに、この「アイゼンコイン」についても悪質なICO案件であるという疑いを持ちながら調査を行います。
アイゼンコインの発行元は?⇒「不明です」
「アイゼンコイン」については公式HPが作成されております。
これ以外のページは存在せず、会社名やホワイトペーパーなども公開されていません。もうICO以前の問題ですね。
どこの誰が関わっているのかが一切分からず、それこそセミナーの主催者についても明かされていません。
参加者のみにホワイトペーパーなどを配布していたのか、ネット上でアイゼンコインについて調査を行うと、ロードマップなるものがいくつか見つかりました。
プレセール自体は第4期まで予定されており、調査時点では第1期プレセールが終了しています。現時点では5億円の資金調達に成功し、3000人以上が参加しているとの事。
この情報については何一つ根拠がないのでご注意を。どうやら上場予定は2019年5月の様です。
ただ、具体的な取引所の名前などは挙げられていませんので、ほぼ未定だと考えた方が良いでしょう。
「気軽にDMください」
今のところ何一つ信用に値する情報が見つからない「アイゼンコイン」でございますが、Twitterでは紹介料が欲しいのか、怪しいアカウントたちが増加しております。
上記のアカウントは氷山の一角であり、ICOに限らず稼げる投資案件を紹介するという謎のツイートを繰り返しているアカウントがいくつも存在しています
一体、「アイゼンコイン」のどこが信用できるものなのか、ご説明願いたいものです。
彼らについては仮想通貨で稼ごうという気概は一切持ち合わせておらず、たまたま参加したねずみ講の商品が仮想通貨であったというだけなのでしょう。
彼らもある意味被害者なのかもしれませんね。知らぬ間に犯罪の片棒を担ぐことになるワケですから。
過去にも「仮想通貨×ネズミ講」という組み合わせで集客が行われていた投資案件は尽く詐欺であることが発覚しています。
代表的なものが
- D9クラブ
- クローバーコイン
など、一時はニュース番組でも取り上げられるほどに話題となった「HYIP」と呼ばれる投資案件たち。
今回の「アイゼンコイン」は違うものだと思いたいですが、紹介報酬などの条件が非常に酷似しております。
そして、更に怪しいのは「アイゼンコイン」の発行元が不明だという点。もしかすると「クローバーコイン」を勧めていた詐欺業者たちが関与している可能性もあるのでは?
アイゼンコインに狙われる日本人たち
現在、ICO自体は世界各国で行われています。そのICOの情報開示や情報交換の場として使用されている代表的なツールと言えば
- テレグラム(Telegram)
- ディスコード(Discord)
- スラック(Slack)
上記の3つがあげられます。ですが、今回の「アイゼンコイン」については上記のサービスは使用されておらず、アジア(特に日本)で人気のあるLINEグループでの情報公開が行われています。
この事から「アイゼンコイン」に関しては、世界中に向けて販売されるICOではなく、日本をメインとして販売が行われるものであることが想定できます。
その場合、上場を目指すのは日本国内の取引所でなければ難しいと言えますね。
日本国内の取引所に上場する通貨に関しては、主要な取引所のほとんどが入会している「日本仮想通貨事業者協会」で以下のような流れが行われることになっています。
- 会員による新規取扱い仮想通貨に関する情報収集、当該仮想通貨の概要説明書の作成
- 会員による当該仮想通貨に対する社内審査の実施
- 会員による協会への審査結果報告および仮想通貨概要説明書の提出
- 協会による仮想通貨概要説明書記載内容および会員による社内審査結果の確認
- 会員による規制当局への取扱い仮想通貨変更届の提出
- 会員による新規取扱い仮想通貨の利用者(投資者)への提供開始
上記のように、非常に手間と時間を要することが分かりますよね。この手間を掛けてまで、発行元も公開出来ない仮想通貨を上場させる取引所などが存在するのでしょうか?筆者は上場する可能性は低いと判断しています。
ギャンブルと紙一重のICO
ICO案件すべてに言えることではありますが、結局のところ上場するか否かについては神のみぞ知るといったところです。
そもそも、企業が資金を集めるという事が大前提なのですから、ホワイトペーパー(事業計画書)を読まないまま購入するなど論外です。
今回の「アイゼンコイン」については公式HPでホワイトペーパーも発行元も確認出来ないなど、ICOと呼べるのか定かではありません。
もちろん、長期に渡り詐欺と言われ続けたADAコインのような事例もある為、一概に詐欺であると言い切ることは出来ませんが「アイゼンコイン」が危険なICO案件であることは間違いないでしょう。
2018年に購入し、上場予定である2019年6月まで結果が分からない状況に耐える精神力と、詐欺であっても大丈夫だと言えるなら、参加するのもありでしょう。
ですがそれはもう、投資と呼ぶことは出来ないただのギャンブルだと思いますが……。
アイゼンコインのまとめ
・紹介でしか販売していない
・ねずみ講のようなシステムを採用している
・アイゼンコインの発行元は不明
・日本人にしか販売していないかも
・上場の可能性は低い
世界で活動するマリンファウンデーションとパートナー契約を締結致しました。
マリンファウンデーションは世界各国の政府機関、大統領夫人会、企業及び富裕層の人脈などをマッチングさせ途上国の更なる発展を支援する目的で発足した財団です。
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とか言って、マリンファウンデーションなんて日本で作られてるみたいだし。
全然駄目だね。まともに見せようとして頑張ってるのかも知れないけど、おっつけてる感じしかしないね。