GEMFOREX(ゲムフォレックス)の破綻から海外FXの実態に迫る

名前GEMFOREX(ゲムフォレックス)

GEMFOREX(ゲムフォレックス)の破綻から海外FXの実態に迫る

かつて、海外FX業界で注目を集めていたGEMFOREX(ゲムフォレックス)が、2023年5月に突如としてサービスを停止。
 
 
この出来事は多くのトレーダーに衝撃を与え、海外FX業界全体に大きな波紋を広げる事となりました。
 
 
本記事では、ゲムフォレックスの歴史や破綻の経緯について解説します。
 

GEMFOREX(ゲムフォレックス)とは?歴史や特徴


 
2010年に設立されたゲムフォレックスは、当初GemTradeという名称でFX自動売買ソフト(EA)の無料提供サービスを開始。その後、2014年にゲムフォレックスとして本格的に海外FXサービスの展開を始めています。
 
 
主な特徴として、最大レバレッジ1,000倍(一部の口座では5,000倍)の取引が可能であった事や、日本語サポートの充実、豊富なボーナスキャンペーンの実施などが挙げられます。
 
 
特に高レバレッジと魅力的なボーナスは、少額から取引を始めたいトレーダーの間で人気を集めていました。
 
 
また、ゲムフォレックスは「Made in Japan」を謳い、日本人によって設立・運営されていることを強調。
 
 
ただし、セーシェル金融ライセンス(SD116)とモーリシャス金融ライセンス(GB21026813)を取得していたものの、日本の金融当局には登録されておらず、2015年10月には関東財務局や金融庁から警告が発出されていました。
 

GEMFOREX(ゲムフォレックス)破綻までの経緯

ゲムフォレックスの破綻は突然のように見えましたが、実際には様々な兆候が現れていました。
 
 
2022年後半から、ゲムフォレックスに関する問題が表面化し始めたのです。
 

ボーナスアービトラージの横行

2022年中頃から、ゲムフォレックスでは組織的なボーナスアービトラージが問題視されるように。
 
 
これは、両建てを繰り返すことで不当に利益を得る手法のことです。
 
 
ゲムフォレックスは以前からこの問題に対して警告を発していましたが、効果的な対策を講じることができませんでした。
 

出金遅延の報告

2022年12月初旬頃から、SNS上でゲムフォレックスの出金遅延に関する報告が増加。
 
 
特に高額の出金申請で遅延が目立つようになり、ユーザーの間で不安が広がっていきました。
 

決済代行会社による資金の持ち逃げ

ゲムフォレックスは2022年後半、2つの決済代行会社による資金の持ち逃げ被害を受けたと発表。
 
 
1社が約50億円、もう1社が約10億円の被害を与えたとされ、この事件がゲムフォレックスの財務状況を大きく悪化させる要因となったようです。
 

サービス停止と裏側

2023年5月31日、ゲムフォレックスは事前予告なく全サービスの停止を発表し、多くのユーザーに衝撃を与えました。
 
 
サービス停止の発表と同時に、ゲムフォレックスは既存のポジションを2023年6月30日までに決済するよう顧客に要求。
 
 
これにより、多くのトレーダーが不利な条件での決済を強いられる事になったのです。
 
 
さらに、ゲムフォレックスは事業譲渡の完了する8月1日まで定額出金と分割出金を一時停止すると発表し、ユーザーは自身の資金にアクセスできない状況に陥りました。
 

GEMFOREX(ゲムフォレックス)が与えた影響

ゲムフォレックスの破綻は、多くのトレーダーに直接的な影響を与えただけで無く、海外FX業界全体にも大きな影響を及ぼしました。
 

利用者への影響

ゲムフォレックスに預けていた資金にアクセスできなくなったり、既存のポジションを短期間で決済することを強いられ、不利な条件での取引を余儀なくされたりと、多くの利用者が深刻な影響を受けました。
 
 
さらに、突然の事態に不安と混乱に陥るなど、心理的な影響も大きかったようです。
 

業界への影響

ゲムフォレックスの破綻により、海外FX業者全体の信頼性が低下し、規制強化の可能性が出てきました。
 
 
また、トレーダーたちが海外FX業者の選択により慎重になる傾向が強まったのです。
 

GEMFOREX(ゲムフォレックス)の破綻から学ぶ教訓

ゲムフォレックスの事例から、海外FX業者を利用する際に注意すべきいくつかのポイントが浮かび上がってきました。
 

金融ライセンスの確認

ゲムフォレックスが取得していたセーシェルとモーリシャスの金融ライセンスは、比較的取得が容易なものでした。
 
 
より信頼性の高いライセンス(例:FSA(セーシェル金融庁)のライセンス)を取得している業者を選ぶことが重要だと言えます。
 

運営歴の確認

ゲムフォレックスは2014年からFX業者としてサービスを開始しましたが、約9年で破綻しました。
 
 
一般的に8年以上続いている海外FX業者は「老舗」と呼ばれ、より信頼性が高いとされています。
 

ボーナスキャンペーンへの警戒

ゲムフォレックスは頻繁に高額なボーナスキャンペーンを実施していましたが、過度に魅力的なボーナスは業者の財務状況が悪化している可能性を示唆しています。
 
 
ボーナスに惑わされず、業者の信頼性を重視することが大切です。
 

出金状況の確認

ゲムフォレックスの場合、破綻の前から出金遅延の報告が増えていました。
 
 
SNSなどで定期的に出金状況を確認し、問題が報告されている場合は早めに対応することが重要だと言えます。
 

資金管理方法の確認

海外FX業者の資金管理方法には、信託保全と分別管理があります。
 
 
信託保全の方が安全性が高いため、可能であれば信託保全を採用している業者を選ぶことをおすすめします。
 

今後の海外FX業界の展望

ゲムフォレックスの破綻を受けて海外FX業界は大きな転換点を迎えているため、以下のような変化が予想されます。
 

規制の強化と透明性の向上

各国の金融当局が海外FX業者に対する規制を強化する可能性があり、これにより業界全体の信頼性向上に期待。
 
 
また、ユーザーからの信頼回復のため、多くの海外FX業者が経営の透明性を高める取り組みを行うことが予想されます。
 

サービスの差別化と新技術の導入

単なる高レバレッジやボーナスだけでなく、独自の取引ツールや教育コンテンツなど、サービスの質での差別化が進むでしょう。
 
 
さらに、ブロックチェーン技術などを活用し、より安全で透明性の高い取引システムを導入する業者が増える可能性があります。
 

GEMFOREX(ゲムフォレックス)の事業承継と今後の展開

2023年7月31日、ゲムフォレックスは経営権の譲渡とM&Aによる事業承継契約の締結を完了したと発表しました。
 
 
買収先はGalaxy DAOという組織で、2023年8月1日より運営を引き継ぐとのことです。
 

Galaxy DAO公式サイト
 
Galaxy DAOは、ゲムフォレックスのユーザーに対して独自のトークンであるGBONDで補償を進める方針を示していますが、法定通貨での返金・補償を望む声が根強く、Galaxy DAOを批判する元ゲムフォレックスユーザーが多数を占めています。
 
 
2023年12月26日には、Galaxy DAOのDiscord上でゲムフォレックスのホームページを閉鎖することが発表され、ユーザーはゲムフォレックスのマイページを閲覧できなくなり、入出金の記録も確認できなくなりました。
 
 
さらに、2023年12月にはゲムフォレックスの運営元であるGemTrade LLCの破産手続きが開始されたことが明らかになり、ユーザーへの返金はさらに困難になる可能性が高まっています。
 

まとめ

ゲムフォレックスの破綻は、海外FX業界に大きな衝撃を与えました。
 
 
この事例から以下の要素を総合的に判断し、慎重に業者を選ぶことが重要だと言えるでしょう。
 

  • 信頼性の高いライセンス
  • 長期の運営実績
  • 適度なボーナス制度
  • 安定した出金システム
  • 透明性の高い資金管理
  • 充実したサポート体制etc…

 
海外FX取引には高いリターンの可能性がある一方で、ゲムフォレックスの事例が示すように大きなリスクも存在。
 
 
トレーダーは自己責任の原則を常に念頭に置き、適切なリスク管理を行いながら取引を行うことが求められます。
 

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