通貨名 | KINGS(キングス) |
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通貨コード | KNG |
発行元 | 不明 |
ブロックチェーンプラットフォーム | イーサリアムERC20 |
総発行枚数 | 60,000,000,000 KNG |
公式URL | キケンな為非公開 |
「KINGS(キングスコイン)」が上場を発表したものの…
「縁故募集のみ」という謎の条件のもとに購入が可能であるICO通貨「キングスコイン(KINGS)」。
そのくせ、Twitterで利益確定案件だと怪しいヤカラがガンガン勧誘を行っています。今回は筆者が直接、勧誘を行う人物とコンタクトを取ることに成功。
詐欺の疑いが濃厚であるICO通貨「KINGS(キングス)」は、果たして上場するのでしょうか?今後の予想を含め、調査を行ってまいりました。
2018年10月15日:キングスコイン(KINGS)が上場しICO割れ
2018年10月11日、遂に仮想通貨「キングスコイン(KINGS)」が「BITNOAH(ビットノア)」というマイナー取引所に上場を果たしました。
筆者が「キングスコイン(KINGS)」のICOへ参加するように勧誘を受けた際には、利益確定の案件だと紹介を受けましたが、ものの見事にICO割れという結果に。
上場から4日が経過した15日現在の価格は、日本円にして約1.3円ほどにつけています。
見る限りでは1日数件ほど取引が成立している様子。この状態が続くようでしたら「キングスコイン(KINGS)」の価格が上昇する見込みは限りなく低いと言わざるを得ません。
実際に「キングスコイン(KINGS)」へと投資したホルダーからも、公式テレグラムでは不満の声が上がっていましたのでご紹介します。
取引が成立しないため、売りたくても売れないと話すホルダーの方。公式テレグラムは大荒れの様相でした。
彼のように「キングスコイン(KINGS)」を売却したいと考えるホルダーは、まだまだいる事でしょう。
この状況を逆転できるようなニュースでも入らない限り、価格はこのまま下落の一途をたどるものと筆者はみています。
2018年10月3日:キングスコイン(KINGS)が上場を発表
動きの見えなかったICO案件「KINGS(キングスコイン)」が、ニュージーランドにある「BITNOAH(ビットノア)」なる取引所に上場が決定したと発表がなされました。
聞いた事のない取引所には驚きましたが「BITNOAH」の公式ページには「KINGS(キングスコイン)」が上場を果たす旨の記載があることを確認しました。
2018年10月11日に上場が決定。最近はICO割れを起こすICO案件が非常に多くなっておりますが、果たして「KINGS(キングスコイン)」は大丈夫なのでしょうか?
今回は「KINGS(キングスコイン)」の上場先である「BITNOAH」について、捜査を行います。
「BITNOAH」は世界中で人気がない
公式発表によりますと、上場先に「BITNOAH」を選んだ理由として中国人投資家を集めるため、中国人に人気の取引所として選んだとされています。
ですが、筆者が確認したところ「BITNOAH」全体の取引高は世界の取引所の内200位にも入っていない状態であることが判明しました。
世界中の取引所における取引高が確認できる「コインマーケットキャップ」にて、筆者が自分の目で確認を行いました。
この状況を考えると、中国人に人気の取引所というよりは一部の中国人しか使ってない取引所と考えたほうが妥当です。
「BITNOAH」のスプレッドが広すぎる
では、実際に「BITNOAH」では、どのような取引が行われているのか。ビットコインの取引状況を確認していきます。
BTCを購入できる通貨ペアが「AUC」のみという事も理由の一つだと思われますが、人気の取引所という割にはやはり取引数が少ない印象を受けます。
また、スプレッドも非常に広いことから、筆者の確認時のみ取引が行われていなかったというわけではないことも分かります。
「KINGS(キングスコイン)」側の公式発表では「BITNOAH」に上場することで中国人投資家を集める目的だと話していましたが、これらの状況を考えると苦しい言い訳に見えてしまいます。
仮想通貨取引所の中には金さえ払えば上場できる場所も存在します。「BITNOAH」がそうだとは言いませんが、少し疑ったほうが良いでしょう。
「BITNOAH」のページがバグってる
「BITNOAH」についてあらかた捜査が終わり、トップページに戻ろうとロゴ部分をクリックしたところ「ページが存在しない」という表示が。
最近ではザイフがハッキングを受けるなど、日本国内では仮想通貨取引所のセキュリティ面について取り沙汰されることが多いですが、「BITNOAH」には寒気がします。
取引高も非常に低いためハッキングの標的になる可能性は低いと思われますが、まともにHPさえ作れていない「BITNOAH」の状況を考えると、今回の上場発表がいいニュースであるようには思えないというのが、筆者個人の感想でございます。
上場したものの買い手がつかずに実質、売買不可能になるなども考えられます。「KINGS(キングスコイン)」については、上場後も手を出さないほうが良い通貨であると判断させて頂きます。
2018年11月1日:キングスコイン(KINGS)が重大発表
Twitterや公式テレグラム等において、キングスコイン(KINGS)が決済端末メーカーであるラカラジャパンと提携を発表しました。
中国においてコンビニPOSシェア99%を誇る大手企業との提携はホルダーの方に明るいニュースになったのではないでしょうか。
一つ懸念なのは現在もICO割れ真っ只中という事。
果たしてキングスコインの価格はどう動いていくのか、仮想通貨ポリスでは追跡捜査を続けていきたいと思います。
※以下、追記前の捜査レポートになります↓
「利益確定のICO案件あります!詳細は連絡下さい!」
世界各国でICOに対する規制強化が勧められていく中、日本ではSNSを利用してICOへの投資勧誘がたびたび話題に。
資金調達が目的の元で行われるICOですが、大々的に広告を出すこと無く、内々で進められているICOで果たして資金は集まるのでしょうか?
今回は筆者が直接「ICO案件を勧めるアカウント」と連絡を取り合い、利益確定だと言われて紹介を受けた「KINGS」について調査を行いました。
お前がKINGS(キングス)の販売元だろ?
今回筆者がコンタクトを取ったのは、上記のような投稿を繰り返すTwitterアカウントになります。
このツイートから読み取れることは以下の点。
- カジノ業界
- ハードウォレットでキャッシュレスに変える
- プレセールは縁故募集のみ
- いま購入すれば利益は確定
少しばかり日本語が怪しい点が気になりますが、以上がICO案件の基本情報になります。
縁故募集のみという事ですが、SNSでガンガン勧誘を行うという矛盾はさておき、このアカウントへDM(ダイレクトメッセージ)を送信。
何日かやり取りを重ねたところ、遂に目的であるICO案件の紹介を受けることが出来ました。案件自体は非公開だと何度も念を押されましたが、気にしていません。ポリスなので。
案件名は「KINGS」というもので確定。ホワイトペーパーの確認に入りたいところですが、この人物が最後に言い放った一言に凄まじい違和感が……。
「こちらの通貨のご購入もできますので、その際はご連絡ください」
まるで“自分が販売者”のような口ぶり。これについては縁故募集のみという事が理由なのだと思われますが、SNSで数日間の連絡を取っただけの筆者にも紹介可能というところに面白さを感じますね。このアカウントからは最終的に……
「現段階では利益確定のものとなります」
何を根拠にこのような発言をしているのか、不思議でなりません。
KINGS(キングス)は世界展開なのに日本語だけ
紹介元のアカウントによるとICO案件の「KINGS(キングス)」は、カジノ業界を変える通貨であると説明されています。
ですが、筆者が実際にホワイトペーパーを確認したところ、カジノなどの言葉は1度たりとも使用されていませんでした。
正式なサービス内容としては以下の通り
プロジェクト名:KINGS Project
目的:仮想通貨を現実世界の決済インフラとすること
発行トークン:KINGS(KNG)
予定トークン総発行総量 60,000,000,000 KNG
ザックリと説明させて頂くと、仮想通貨を現実世界の決済手段にすることを目的としており、独自の決済サービスの稼働を行うというもの。
仮想通貨が決済手段としての普及が進まない原因として、利用できる場の少なさや価格変動のリスクなどがあげられます。
それらを解決する手段として、独自開発したKINGSトークンの発行、開発を行うと共に世界各国のリゾート施設での展開をはじめ、周辺施設へとサービスの対応エリアの拡大を行っていき、利用できる場を提供していくとの事。
また、価格変動のリスクについては、KINGSトークンの一部をペッグ通貨として運用すると説明されています。
※仮想通貨におけるペッグ通貨とは
現実の商品や法定通貨を担保として運用される通貨になります。
それっぽい事が書かれた通貨でしたが、まず気になるのが公式サイトで公開されているホワイトペーパーが日本語のみという事。
世界各国のリゾート地に導入することを目的としている筈ですが、明らかにオカシイですね。このホワイトペーパーは日本人しか読まないと想定されて作られたのでしょうか?
そして、今後の事業目標を時系列で解説しているロードマップでは
サービスの導入決まっているというホテル名などは何処にも記載されていません。非常にフワッとした内容を、それっぽく書いているだけ、というのが筆者の感想になります。
そして、KINGSのメンバー及びアドバイザーという項目ではKINGSの技術を支援する方々が紹介されておりました。
トークンの発行元の企業が香港という事もあり、シンガポールや香港企業に勤める方々が紹介されておりました。
その中に「株式会社APOLLO一級建築氏事務所」の主宰である「黒崎 敏」という人物がマーケティングマネージャーとして参加していると紹介されています。
唯一連絡の取れそうな人物のため、「株式会社APOLLO一級建築士事務所」に「KINGS」に関わっているのかという点について、電話にて問い合わせを行いました。
非常にご丁寧な対応をして頂いたのですが、「黒崎は只今出張のため不在」との事でした。
スタッフの方に質問をするのも違うと思いますが、一応、「黒崎氏が仮想通貨事業のメンバーとして紹介されているが、事実なのか?」と質問をしてみます。
回答は→「そのような話は全く聞いたことがありません。アパート経営などを行う事業者の方との繋がりはございますので、もしかしたら、という事はあるかもしれませんが、私の方からお話出来ることではないかと思いますので…」
スタッフの方からは全く聞いたことが無いという回答を頂きました。また、「私以外にもこのような問い合わせはありましたか?」と質問したところ「このような問い合わせは来たことが無い」と回答を頂きましたので、KINGSの知名度は思いのほか低いのでしょう。
従業員には言えないヒミツ
ホワイトペーパーの最下部には利用規約が記載されており、そこには投資に関するリスクなどの解説が掲載されておりました。
この項目の内、筆者の目に留まったのは
・収入または利益の保証なし
・KNGトークンは投資ではありません
・KNGトークンの価値について
・法的位置づけ(日本)
以上の4項目。投資ではないという事をハッキリ記載している点と利益の保証も無し。購入はあくまで自己責任という事の説明になりますね。
やはり、紹介された時に聞いた「利益確定」はウソだったという事で問題ないでしょう。
そして、最もヒドイ記載は法的位置づけ(日本)という部分。なぜ世界中での決済手段としての普及を目指すプロジェクトが日本の法律だけを規約として記載しているのか。
これは暗に、日本国内でしか販売しないという事を示しているのでは?縁故募集のみというシステムについても、なぜ日本人向けに行われているのかが不自然です。
それに、縁故募集であれば、メンバーである「黒崎 敏」氏の社員が知らないというのは明らかに不自然であるといえます。
以上の事から、今回調査を行ったICO案件「KINGS」は詐欺の可能性が高いと判断します。
まとめ
・紹介者が内容を把握していない
・ホワイトペーパーが曖昧
・開発チームが存在するか不明
・日本語しか対応していない
・詐欺の可能性が高い
KINGSプロジェクトの重要人物である、william tien氏が、KINGSとは別で、自らのプロジェクトを本格的に動かし始めました。何やら気になります。要チェックです。KINGSに影響するかどうかはわかりません笑