商品名 | TES(テス) |
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販売会社 | ARGUS CRYPTO Laboratory |
運営責任者 | Benjamin Brooks |
電話番号 | 0120-888-322 |
所在地 | San Francisco,USA |
URL | http://argusproject.com/lp/ |
運営会社に電話取材を敢行
仮想通貨の自動売買システム「TES(テス)」がいかなるサービスなのか。
今回は仮想通貨ポリスが販売元である「アルゴスサポート」に潜入捜査を行い、サービスの概要や運営実態について
直接電話で話を聞くことに成功した。
2018年1月15日:アルゴス社が「飛んだ」模様
「TES」の運営会社である「アルゴスクリプトラボ」の公式ページを確認したところ、以下のような発表が掲載されておりました。
発表によると、仮想通貨の相次ぐ下落等、相場状況が不安定な状況で事業の継続が不可能となったそうです。
私は以前から「詐欺の可能性が高い」警鐘を鳴らし続けてきましたが、やはりこのような結果となってしまい、非常に残念でございます。
公式サイトには元本の出金を1月18日までに申請しなければ、資産は保全されないと記載されているものの、サポートダイヤルには一向に繋がりません。
個人的にはこのまま「飛ぶ」のが既定路線なのだろうと感じています。
現時点では運営者の所在地も運営会社も分からない状況です。このまま音信不通で資金は取り返せないまま。というのが最悪のストーリーでしょう。
万が一、出金申請が通る可能性も考えられますので、利用者の方々は早急に出金を行ったほうが良いでしょう。
十中八九、出金などされないと思いますがね…。
9月20日追記:ホワイトペーパーに「コピペを発見」
TESについて追加捜査を行ったところ、公式サイトにて確認できる「TESのホワイトペーパー」の文章が、他サイトのコピペであることが判明しました。
公開されているホワイトペーパーでは、TESの仕様や目的を解説しているのですが、まさかこれらの記載がコピペだったとは思いもよりませんでした。
なぜ、自社で開発を行い実際に運用しているはずの商品の仕様書を他サイトの文章で作成してしまったのか。
この状況を鑑みると、TESは存在しない架空商品であり、その仕様書を作るのが難しくコピペで作らざるを得なかった。
確たる証拠とは言えませんが、運営体制の怪しさや電話取材時の対応と合わせて考えると、可能性は非常に高いと筆者は考えております。
※以下、コピペ発覚前の捜査記事になります↓
「あなたの住所を教えてください」
??「お電話ありがとうございます。アルゴスサポートでございます」
筆者:「ホームページを見てお電話しました。TESというツールに興味があるのですが」
電話に出たのは男性社員。名前を尋ねると「神谷」だと名乗りました。年齢はおそらく20代後半~30代前半だと思われます。
まずは怪しまれないように、「TES」のサービスについての質問をしていきます。
サービス内容についてはおよそ10分程度のやり取りとなりましたが、すべてホームページに記載された内容に過ぎないため割愛いたします。
神谷:「TESの詳細については資料をお届けしております。このお電話で申し込みなさいますか?」
筆者:「そうですね。ぜひお願いいたします」
神谷:「ありがとうございます。では、お客様の情報を登録していきます。お名前をお電話番号をお伺いできますか?」
筆者:「〇〇 〇〇です。電話番号は今電話を掛けているもので」
神谷:「ありがとうございます。では、続いて郵便番号をお願いいたします」
筆者:「ん?郵便番号?住所をお伝えしなくてはいけないのですか?」
神谷:「はい、すべて登録をしなければいけないので」
筆者:「登録?メールで資料だけ送っていただく形でいいですよ」
神谷:「資料請求をしていただいた方に関しては、こちらで何歳の方なのか、どういった方に興味を抱いて頂いたのかなど、データを取らなくてはいけないんですよ」
筆者:「ほう、住所もデータを取らなくてはいけないと?」
神谷:「住所は…、まぁデータを取ると言いますか、どこの人が利用されるのかなど、そういった部分も含めてです…。別にこれを誰かに渡すというわけでは無いので…そこはご安心いただければと」
筆者:「そうなのであれば、利用開始時にお伝えする形で問題ないのでは?」
神谷:「……、まぁ、それでもいいんですけども、皆様お伝えして頂いて請求をしていただいているので」
筆者:「必要がないのであれば伝えたくないですね。」
神谷:「そうしたいんですか?」
筆者:「はい、もちろんです」
神谷:「……、かしこまりました……その理由って何かあります?」
筆者:「いや、御社がどこにあるのかもわからないですし、信用していないので」
神谷:「そうですか、わかりました」
住所を伝えないという事に、何故か食い下がってきた神谷。
このような企業に個人情報を伝えたところ、振り込め詐欺や投資詐欺のパンフレットが配送されるなどの被害は実際に起きています。
電話番号はまだしも、住所などは絶対に教えないように注意しましょう。
質問:「運営場所は?」⇒「明かせません」
筆者:「ホームページに多くの利用者がいると書かれていましたが、大体何名くらいいるんですか?」
神谷:「今ですと…、1600人くらいですね」
筆者:「そんなにいらっしゃるんですか、サポートなどはどれくらいの人数で行っているんですか?」
神谷:「70~80人くらいですかね、私も細かく数えたことはないので」
筆者:「なるほど、その70~80人の方が日本でサポートしているという事なんですね?」
神谷:「はい、そうです」
筆者:「どこで運営されてるんですか?」
神谷:「本社自体はアメリカにございますが、住所の公開というものは全てしておりません」
筆者:「え?どうしてですか?」
神谷:「どこの会社さんもそうだと思いますけどね。セキュリティ強化の観点から、住所の公開は控えています」
筆者:「なるほど、では、私が契約した際にはどこで運用されているのかわからないままということで大丈夫ですか?」
神谷:「意味合い的にはそうなりますね」
筆者:「なるほど、わかりました。ちょっと頂いた資料も確認してから検討したいと思います」
以上で電話取材が終わりになります。サポートデスクの運営場所については明かせないと回答を頂きました。
どこの会社も明かしていないと言っていましたが、日本にある仮想通貨取引所を見てください。
しっかりと日本の会社として登記しており、住所もちゃんと公開しています。
セキュリティの強化などという理由で所在地を明かさない事には、非常に違和感があります。自らセキュリティが弱いと申告しているようなものですよ。
そのくせ、自分たちは会員の住所を聞いてくるのですから。
TESは日本人だけが利用している
自動売買ツール「TES(テス)」の販売会社である「アルゴスクリプトラボ」について捜査を進めると、企業HPを発見。
日本でサービスを提供している影響からか、日本語・英語の2種類が存在しています。
神谷の話によると本社はアメリカにあるようなので、当然、メインのサービスは米国民に向けたものであり、アクセスはアメリカが多いことが予想できます。
そこで今回は、自動売買ツール「TES(テス)」の販売会社「アルゴスクリプトラボ」の企業HPが、どこの国からアクセスされているのかを捜査しました。
アメリカに本社を置く、英語で作成されたwebページのはずが、アクセスしてる99%以上が日本から。
上記の点から考えれば、住所を公開できない「アルゴスクリプトラボ」の本社はアメリカなどに存在せず、運営実態は日本であり日本人が運営していると考えるのが妥当です。
サポートデスクの神谷が答えた住所を公開できない本当の理由は、ここにありそうです。
危険な契約体系
さらに自動売買ツール「TES(テス)」について捜査を行うと、申し込みページに掲載された利用規約という項目を発見。
ここを筆者が熟読していると、思いがけぬ記載がなされていることに気が付きます。
これがどれだけ危険な事なのか、お分かりでしょうか?
明日、突然サービスを終了されたら、そこから一切の連絡手段を絶たれるという事です。
もし、彼らの目的が100BTCを集めることだとしたら、その時点で利用者からかき集めた運用資金が100BTC集まった段階で、突如姿をくらます可能性もあるでしょう。
これは筆者の予想ですが、もし利用している方がいるならば、実は「TES」で利益が出せているのでは?
ですが、それに安心している方は非常に危険です。
仮想通貨業界で流行している詐欺の1つに、ポンジスキームというものが存在します。
最近では仮想通貨関連のHIYPというもので、上記のポンジスキームを用いた詐欺が横行しています。
自動売買ツール「TES(テス)」に関しても、所在地を頑なに明かさない点や、企業ページのアクセス元の99%が日本からなど、不審な点が多数確認できることから、同様の手法を用いた詐欺の可能性が非常に高いと考えます。
「自分は投資詐欺になど遭わない」という根拠の無い自信を持った方こそ、気を付けるべきです。
テスに関しては運営会社が既に飛んでいるという情報も確認出来ており、その被害額は数億円単位に及ぶとされています。
詳細不明の企業に資金を預け入れることがどれだけ危険なことか、利用されていた方は身に染みる経験となったことでしょう。
「TES(テス)」のまとめ
- 個人情報を聞き出そうとしてくる
- 企業の所在地が不明
- 決済がBTCのみ
- ポンジスキーム(詐欺)の可能性大
最初のうちは利益として少しだけ配当を出して、目減りしていき最終的に破産を理由に逃亡という詐欺の形を代表する案件でしたね。結局テスは裁判にもならず集団訴訟すら敵わずに終わりました。詐欺としては完全犯罪と言えるのではないでしょうか。そもそも投資自体がリスクのある事ですから、資金を持ち逃げされたとしても誰も何も言えませんよね。